室内で比較的簡単に育てられる観葉植物。なのに1ヶ月で枯らしてしまう方もいれば、10年同じ植木を育てている方も・・・その違いとは?
観葉植物とひとくちに言っても様々な種類があり、それぞれに違う性質を持っています。すべてに当てはまるわけではありませんが、一般的に多いのが下記の例です。
1.反応は少ないようだけど、観葉植物も動物のペットと同じです。
「観葉植物、好きでよく買うんだけどいつも枯れちゃうの。」お客様はしばしばそうおっしゃいます。第一の原因は植物からのサインに気がつかないこと。「水が欲しい、水が多すぎる、光が足りない、土がやせてきた、鉢の中で根がもう一杯だよ・・・・・」植物は何らかの形で訴えています、でも気がつかないだけ。人間の子供は不足があれば言葉で伝えます、動物のペットだって態度で伝えます。でも何を伝えたいのかわからなかったり、気がつかなかったりすることがあります。じゃあ植物は?そうですよね、反応が動物に比べると小さいのでより気がつきにくい、気がついたときには手遅れ・・・。
2.こんな場所に置いていませんか?
- 冬でも観葉植物に日光浴だぁーって、お外に出しちゃう大胆な人がいます。
- エアコン、冷暖房の冷気、温風の当たる場所
- 留守がちの家、ドアや窓を閉め切った部屋
- 真っ暗なお部屋では観葉植物は育ちません
- 強い直射日光には当てないで
- 最後に、だからと言って・・・
観葉植物って室内用のイメージがありますが、原産地では当然のことながら屋外で育っています。そうです、植物だからほんとはお外が好きなのですが、原産地はほとんど年中温度が高い地域です。日本の気候が違うところは冬に温度が下がること、寒さにだけは一番の注意を払ってくださいね。皆さん人気の幸福の木なんかは寒さに特に弱くて15℃は欲しいところです。でも冬の夜間暖房の無いお部屋だと15℃なんて簡単に切ってしまいます。だから冬は寒いところに置かないでね、それこそ観葉植物虐待になっちゃいます。
人間でもそうですよね、人工的な一定の風がずっと当たっていると風邪を引いたり、お腹をこわしたり、体調を崩してしまいます。植物も同じで乾燥した空気を当て続けられると当然のこととして枯れてきます。お気をつけください。目安は葉っぱが風で揺れていないこと。
先ほどとまったく逆ですが、まったく風がなく空気が動かなくて淀んだ場所でも植木は枯れます。皆さんもご旅行をされたときや何日間かおうちをお留守にされたとき、帰ってみたら水分は切れていないのに植木が枯れていたことありませんか?またそういうお部屋では害虫も発生しやすい条件がそろいます。観葉植物はできるだけ風通しが良い(空気の流通の良い)お部屋に置いてくださいね。
室内の明るさでも育てられる観葉植物ですが、そのなかには耐陰性があり暗めのお部屋でも何とか育つ観葉植物があります。とはいえ真っ暗なお部屋、また薄暗いお部屋では確実に植物の健康は損なわれてきます。新芽が白くなったり、やけに間延びしたり・・・また人と同じで病弱になります。一般的な目安ですが、葉の面積の大きなものは暗いところでも比較的強く、葉の小さなものは逆に明るい場所を好むって頭の片隅に置いといてくださいね。
本当は明るいところが好きな観葉植物でも、夏の直射日光は強すぎる場合が多いです。植木は枯れなくても葉の色が悪くなり(葉焼け)観賞価値が下がります。特に室内にずっと置いていた観葉植物をいきなり直射日光にさらさないでくださいね。
植木の置き場所を頻繁には変えないでくださいね。植物は元々人間が場所を動かさない限り自分で移動するということはありません。あまり頻繁に移動すると変化した環境に対応するため、ストレスを感じそれが原因で弱ってしまうことが少なくありません。だから良い場所を見つけてあげてずっとその場所で育てるのが基本だと覚えてくださいね。また植物は光の方向に葉っぱを向けるもの。しばらく経つと葉っぱがみんな同じ方向を向いてしまい見た目のバランスが悪くなるので、時々植木鉢をその場で回してやってくださいね。
3.肥料は必要なんだけど・・・
- 観葉植物に肥料は必要です、でも多すぎないように注意してくださいね。
- 肥料をやらなくても観葉植物は枯れません?
- 寒い時期に肥料は要りません(寒さの基準は大阪ですが(-_-;) ・・・)
- 黄色いアンプルは観葉植物にとって万能ではありません
お買い求めの液体肥料や固形肥料、説明書に必ず与える量の目安が書いています。観葉植物の場合、書いているよりも少し少なめにするのが肥料やりのコツです。また本当は油粕や骨粉などの有機肥料が良いのですが、虫が発生しやすいのと臭うのが特に室内では玉にキズですね。
肥料は必要ですがやらなかったからといって枯れることもありません。ただ肥料をやった場合にくらべ育ちが少し劣るということです。テクニックとして大きくしないように肥料をやらないこともあるのです。だからといって「肥料をやらなくてもいいやっ」てことではないので念のため。特に最近元気がないといって急に肥料をやる方がいますが、あれはかえって逆効果。原因は他にあるはずなのでそちらを解決しないと植木は元気になりません。
肥料が必要だからといって常に必要なわけではないですよ。温度が下がる秋から春(大阪だと11月~4月くらい)までの間は観葉植物も休眠状態ですので肥料は要りません。
これも[3]と同じことですが、黄色や緑のアンプルの活力剤を万能薬のように考えておられる方がいますよね。肥料の基本は窒素、リン酸、カリです。あのアンプルはそれ以外の微量要素が含まれていますので、あれだけを与えるということはご飯を食べさせないで、おやつを与えるようなものです。もし元気がなくなった植木にあのアンプル活力剤を与えて、劇的に元気になったって方がいらっしゃったら教えていただきたいくらいです。でもアンプルそのものが悪いわけではないんですよ、要は使い方の問題なのです。観葉植物の肥料は窒素、リン酸、カリが均等に入ったものか、少し窒素分の多いものが良いですね。そのうえで必要に応じて他の栄養剤も使ってくださいね。
4.こんな水やりしていませんか?
“水やり三年”って言葉聞いたことありますか?
われわれのように仕事で毎日水やりしていても、覚えるまで3年は掛かるくらい実は難しいってことなんですが・・・
- 水やりは1回の量をたっぷりやって期間をあける
- 受け皿に水をためないで
- 水やりは鉢の周りに満遍なく
- 観葉植物の水やりは夏多めに冬は少なめに
- 土がカラカラに乾いてしまったら
お客様 | 「植木が元気無いんですけど・・・」 |
私 | 「お水はどれくらいあげていますか?」 |
お客様 | 「毎日少しずつやってます」 |
私 | 「それが原因です!!」ドッカーン |
そう、お水をやるときは必ず鉢底から水が出てくるまで、たっぷりやってくださいね。なぜなら、毎日少しずつ水をやると、植木鉢の上のほうは常に濡れているけれど、肝心の根の先がある鉢底に近いほうは乾いたままなのです。水分を好む植物とそうでない植物は一回の量ではなく、週に一回とか二回とかの間隔で調整してくださいね。
実はこれって“ホント”でもあり“ウソ”でもあるのです。だって私は時々やりますから・・・
そうなんです、家を空けるときとか植木の様子を見ながら、短期間溜めてる分には問題ない場合が多いのです。但し調子に乗ってラクチンだからといつまでもやってると、根の先が呼吸できなくなりひいては根腐れを起こしてしまいます。特に寒い時期はだめですよ。
そうほとんどの方は水やりをするとき、植木鉢の正面一ヶ所からお水をやります。でも考えてみてください、一ヶ所からやると水は鉢の中全体に行き渡らず、その場所を真下に抜けてしまいます。そうすると鉢の裏側の根には水がいきません。一鉢に一株ならまだしも、特に寄せ植えの場合などは裏側にある植物が必ず枯れてしまいます。ですから水やりは植木鉢の周囲に満遍なくお願いしますね、特に大きい鉢ほど。
年がら年中同じペースで水やりしないでくださいね。夏は乾きやすく冬は乾きにくい、また明るいところに置くほどたくさんの水を欲しがりますし、暗いところに置いた植木は少なめに。冬は水を控えめにすることによって耐寒性を高めることもできちゃいます。でも冬場暖房が強く掛かった乾燥したお部屋では、意外と早く乾くこともあるので注意が必要。なんといっても土の表面に手を置いて乾燥具合を確かめるのが一番なのですが・・・
うっかりして土がカラカラになるまで乾かしてしまったら、鉢の上から水をやっても植木鉢とカチンカチンになった土の間を水がすり抜けるだけです。ではどうすれば・・・鉢が小さい場合は、鉢ごと水を一杯に張ったバケツにブクブクって空気が全部出るまで浸けてください。でもバケツに入らない大きい鉢の場合は、ゆっくりと少しずつ水が土に吸収されるのを確認しながらお願いします。
5.「これ植え替えないとだめ?」
お客様が植木を購入されるときよくある質問なのですが、少なくとも寒い時期(大阪では10月~4月)にはできるだけ植え替えしないでくださいね。それでもどうしてもしたいときは、古い植木鉢から根と土が離れないように抜き、そのまま一回り大きな鉢に植え替えてまわりに土を入れましょう。なぜなら寒い時期は根が休んでいるときなので新しい土のなかに上手に張っていけないのです。
種類にもよりますが2年に1回ぐらいひとまわり大きな鉢に植え替えます(5月中旬から6月下旬が最も適しています@何度もしつこいですが大阪の気候では・・・)、長い間そのままにしていると抜いてみたとき鉢の中で根がいっぱいになっていてびっくりすることもありますよ。
いろいろと基本的なことを書きましたが、それぞれの種類についての説明は各品種のページにありますので、あとはそれぞれの観葉植物の説明を見てくださいね。