アレカヤシの育て方
元気が取り柄の夏の代表選手、アレカヤシです。
強すぎる光は好みません。風通しが良く、レースのカーテン等で日差しを少し遮られた(遮光)広いスペースが理想でしょう。適度な水やり・葉水を行い、水不足にご注意ください。株の根元の黒い斑点は病気ではありません。
原産国:マダガスタル アフリカ熱帯雨林気候区
学名:Dypsis lutescens
同属種:--
耐陰性: 室内の窓際 日当たりの良い室外
耐寒性: -5℃ 0℃ 5℃ 10℃ 15℃
育てやすさ: 初心者 中級者 上級者
ご購入の前に・・アレカヤシはこんな植物です。
【好きな環境】
原産国はマダガスカル、アフリカ等熱帯雨林気候地区で、熱帯雨林の高湿度で多雨の地域。 湿度の高いムッとする、いわゆるジャングルのような環境が大好きです。
【葉先が傷みやすいです】
自生している環境では、常に周りに水分があふれていることから、自ら保水性を高くする必要がなく 葉には保水機能が乏しいです。その為、原生地と環境の異なる日本の環境では、 葉の傷みや、根から一番距離のある葉の先が変色したり、丸まったりしやすくなります。
【環境が変わると、一時的に葉の傷み・落葉などがあります】
設置環境が変わったタイミングで新しい環境に適応するためにその場所の湿度や光の量、風通しなどを感じて、葉の傷み・落葉の症状がでます。商品お届けの際にも、この症状がでることもございますが、 ある程度の落葉があり、適度な葉の量まで症状が続いた後に、次第に落ち着いてきます。
【葉水をしてあげてください】
強すぎる日光、エアコンの風など空気乾燥が原因での葉の変色や落葉をできるだけ抑える為に、 葉の水分を補う意味で定期的に霧吹きなどで葉水を行ってください。
【水不足にご注意ください】
夏場は特に水を必要とします。土の表面が乾きだしたら要注意です。 鉢底より染み出る程度、満遍なくタップリと与えて下さい。
【古い葉は次第に枯れていきます】
古い下葉(根元をたどって土に近い下のほうからでている葉)は 新しい葉が出てきますとその入れ替わりで次第に黄色くなったり、葉先から茶色くなったりして、やがて枯れていきます。これは人間の新陳代謝のようなものです。そのまま放っておいても問題ありませんが、葉の付け根から、もしくは葉先等自由に剪定していただいて構いません。
【株の根元の黒い斑点は病気ではありません】
これはアレカヤシの持つ特徴で、病気ではありません。 例えば人間にほくろがあるように、シマウマにはストライプに白黒の毛が生えるように、ごく自然な状態ででてくる模様です。
アレカヤシってどんな植物?
元気が取り柄の夏の代表選手、アレカヤシです。明るく淡いきみどり色の葉っぱが魅力で、暑さを吹き飛ばす観葉植物と評判です。花言葉は「勝利」「元気」となっており風水効果も期待できますね。花言葉の由来は英名の「Yellow butterfly palm」(黄色い蝶々みたいなヤシ)からきているようです。
アレカヤシは暑い国の植物なので耐暑性が高く野外管理も可能ですが、いきなり外に出すと環境の変化で弱ってしまう場合があり注意が必要です。また、寒さにとても弱いので冬の間は野外での管理は厳禁です。
ライバルには、力強さが自慢のフェニックスロベレニー君がいます。
ヤシ仲間では、最も葉の枚数が多く、優美に拡がることから、パーティションに利用したり、熱帯ムード漂うテレビや雑誌にも、ひょこっと登場してたりする人気者なのです。
サイズも豊富でミニ~特殊サイズまで幅広く流通しています。
水やりのコツ
1回の水やりは鉢底から水が出るくらいの量を必ず与えてください。土の表面を濡らす程度の水やりでは、鉢の中心まで水が入っていないです。
土の表面がしっかり乾いたら土の全体に水が行き渡るように、乾湿を意識したメリハリのある水やりを行いましょう。
【一言メモ】
アレカヤシは、観葉植物の中でも盛んに蒸散を行います。蒸散する量が多いと水をよく吸い上げ土が乾きやすいです。
水が多すぎても少なすぎても葉先が茶色くなったり枯れてしまったりするので、
土が乾きやすい植物として理解したうえで水やりは、土の状態を確認して行うようにしましょう。
葉水について
スプレーなどで、植物の葉に霧吹きを行うことを葉水といいます。
水やりだけでは、葉の乾燥による傷みを防ぐことはできません。
補助的な水やりとして、葉水は必要とされています。
【メリット】
(1)水分補給
葉面からも水分を吸収することができます。また、根が弱っている植物にも効果的です。
(2)埃を落とす
室内に置いていると、葉には埃が付きます。この埃のせいで光合成が上手くできない場合があります。
(3)病害虫予防
水を嫌う虫から植物を守ります。害虫予防が結果的に病気のリスクを下げてくれます。
【与え方】
春~秋は葉の全体がしっかり濡れるまで葉水を行ってください。
乾燥する冬も葉水は必要ですが、水滴が滴るほど与えるのはNGです。葉全体にふんわり水滴が乗る程度にしましょう。
年間を通して、毎日行うようにするとよいですが、水やりをしっかり行っていれば葉水を忘れても枯れることはありません。
【一言メモ】
株元が湿っているのに葉が乾燥してしまうと、葉先は茶色くなってしまいます。葉水で葉に潤いを与えることで葉先の変色を抑える効果が期待できます。
肥料の与え方
肥料を与える時期は4月~6月と9月~10月です。
この期間以外は、生長が鈍るので控えましょう。
おすすめの肥料の与え方は、緩効性化成肥料(置き肥)と液体肥料を平行して使用することです。それぞれの肥料にはメリット・デメリットがあります。同時に与えることでそれぞれのデメリットを補い合ってくれます。
ちなみに、液体肥料を与える頻度としては、2週間に1度くらいが良いです。
※7月~8月の気温が高すぎる時期は根が休む場合があります。根が動かない時期に肥料を与えすぎると、肥料焼けを起こします。
この時期は、緩効性化成肥料(置き肥)を与えない方が安全です。水やりの代わりに液体肥料を2週間に1度くらいのペースで与えるだけにしておきましょう。
剪定について
不要な枝や葉を切り落とすことで、植物を健全に育てる手助けをすることができます。
【メリット】
1、込み合った枝や葉を切ることで、蒸れにくくなり害虫対策になります。
2、葉っぱ1枚1枚に光が満遍なく当たるようになります。
3、不要な葉を切ることで、新芽などに養分が行き渡り成長が促進されます。
【注意点】
剪定は4月~5月・9月が適期です。休眠期や気温の高い時期に幹を切るなどの大きな剪定作業を行うと枯れるリスクが高まりますのでお控えください。小さな枝や葉を切る程度であれば年間を通していつ行っても良いです。
また、湿度の高い日の剪定作業は控えてください。切り口が乾燥せず、カビなどが発生しやすいです。
【一言メモ】
アレカヤシは幹を切っても枝分かれしません。
また枯葉が自然に落ちることもないので汚い葉は定期的に取り除きます。
また、大きくなり過ぎた場合は、根本付近で切りましょう。
風通しが良くなり子株が成長しやすくなります。
植替えについて
植物は、幹や枝葉が生長しているとその分根も土の中で生長しています。
鉢の中が根でいっぱいになってしまうと、うまく水分を吸収できなくなります。
また、酸素も入らなくなり窒息してしまいます。
これらを防ぐために、2~3年に1度の植替え作業は必要です。
【注意点】
4月~5月・9月が適期です。根が休んでいる時期の植替え作業は、控えたほうが安全です。
鉢の底には、鉢底石を敷き水はけの良い土を使用しましょう。
水はけの悪い土を選ぶと根腐れを起こすので注意してください。
【一言メモ】
アレカヤシは根を触り過ぎると枯れてしまう可能性が高まります。
植替え時は根に付いている土を軽く落とす程度にしておきましょう。
病害虫について
どの植物にも病害虫のリスクはあります。
特に春先と梅雨時期は、害虫が増えやすいです。
また、病気は害虫が樹液を吸うことによって、発症することが多いです。
害虫対策をしっかり行うことで病気のリスクも下げられます。
増やし方
植替え時に根を整えていると親株の隣に子株を発見した経験がある方も多いのではないでしょうか。
一概にすべてではないのですが、子株が吹く植物は株分でしか増やせない場合があります。
ある程度育て方が分かってきたら、ぜひ次は株分で増やすことにも挑戦してみてはいかがでしょうか?
親株と離したことで子株が上手く生長しないこともときにはあるかもしれませんが、これも植物を育てる楽しさのひとつだと思いますよ。
ちなみに株分をするのに良い時期は4月~5月・9月です。
気温が安定しているときに行いましょう。
【方法】
(1)株分け
手順1:子株を切り離す
親株から子株を切り離す場合は、あらかじめ水やりを控えて乾燥させておきましょう。
出来る限り株を傷めないように土を落とし、親と子が繋がっている根っこをハサミで切ります。
手順2:植え込み
切り離した親株と子株を別々の鉢に植え込みましょう。
土に植え替えてからの管理方法:
半日陰で直射日光が当たらない場所で管理してください。
新しい芽がでてくるまでは、土が乾ききる前に水やりを行いましょう。
根が張りしっかりしてくれば、土が乾ききってからお水を与えるようにしていきましょう。